new_entry 居心地いいプロジェクト – 香りの理論「アロマセラピー」

2020年10月01日NEW ENTRY

2020年9月より、MIKI MUSIC LABでは、居心地いいプロジェクトのデモスペースとして「Smart Space 禅」を公開中。光・音・香りの、組み合わせる3要素それぞれの効果の根拠となる理論、技術をご紹介します。

アロマセラピー

アロマセラピーとは香り(Aroma)と療法(Therapy)を合わせた言葉です。香りとは、精油の香りのことを表わしています。香りは、私たちの気分を高揚させたり、記憶と感覚が入り混じる世界へと導きます。

精油は天然の化学物質の集まり

香りは抽象的な感覚であるため、嗅覚とは想像力の賜物とさえいわれます。精油は植物の花や葉や、果物などからほんのわずかに分泌される有機化合物の集合体です。精油の香りや作用に差があるのは、精油を構成している有機化合物の成分や分量に違いがあるからです。化合物の分子が小さいものから順に香るため、時間の経過とともに香り立ちも変わってくるのです。一般的な香水は、この変化を活かして組み立てられています。

また、精油の価格に差があるのは、製造方法や一定量の原料から抽出される分量に違いがあるからです。ちなみに、ローズの精油を1滴作るのに200本のバラが必要です。精油1滴には植物のエネルギーが凝集されているため、たった1滴でもエネルギーを感じることができるのです。

香りが与える影響

精油を鼻から吸うと、構成されている有機化合物の分子が鼻の奥の粘膜に付着して、その情報が嗅細胞に届き、電気信号に置き換えられます。

この信号は、欲求や感情などに深くかかわる大脳辺縁系へ直接伝わり、自律神経の中枢である視床下部を経て内分泌系・免疫系に働きかけます。大脳辺縁系は感情をコントロールする司令塔の役目です。よって精油をかぐだけで、その人の気質や態度に働きかけることができるのです。

アロマセラピーと中医学について

アロマセラピーで用いる精油は、植物から抽出されたエキスです。香りを含んだ異なる成分をもつ有機化合物の分子から成り立っています。もとはフランスの医学博士が提唱した代替医療の一つで、日本でも、心や体の不調を改善する目的で医療や福祉の現場で用いられています。しかし、柑橘系や針葉樹の精油には同じ有機化合物の成分が含まれているにも関わらず、まったく異なる香りがします。よって分子の働きだけで精油を選ぶ方法では、香りの好みが分かれてしまいます。

精油を選ぶ選択肢を増やすために、心と体の不調を改善する中医学の考えを導入しました。中医学は自然が持つ力を利用して体質を改善します。これらはアロマセラピーと同じ考えといえるからです。中医学の考えは「内側から変わること」。瞑想や呼吸、運動、健康的な暮らし方で長寿と健康を維持できると説いています。4,000年以上前から伝わる中医学の考えは現代社会にも通じます。

アロマセラピーがもたらす効果

現代社会は五感に入る情報過多のため、脳のコントロール力が低下しがちになり、集中力を保つことが難しいといわれています。この状態を脳疲労と呼びます。また、脳疲労は自律神経の乱れから生じるともいわれています。アロマセラピーの世界的権威であるカートシュナウベルトも、自身の著書「Medical Aromatherapy(USA 1999)」で、リラックス効果を期待するには脳に働きかける精油がよいと述べています。

脳の視床下部には、自律神経系をコントロールする働きがあります。自律神経は交感神経と副交感神経で構成されており、生体がストレス状態にある時は、交感神経の活動が増加し副交感神経の活動が低下します。ストレスを受けた時、過剰になった交感神経を緩め、緊張をほぐす精油を用いれば人はリラックスしたと感じます。ラベンダーの香りには副交感神経系の活動を増加させ、交感神経系の活動を抑制するとすでに報告されています。

 

文章・資料提供:美養憧 岡下真弓